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連載第4回 (2009/5/18公開)

【食べたことのないものを食べてみる】

先月まで、まずは劇場へ行きましょう!
というキャンペーンを勝手に提案してきました。
 
 
どうです?行かれましたか?ああ、いいんです。いいんです。行かれてないのが普通です。前にも書いたように、日本人は劇場へ行く文化を一旦切らしてますから、用事もないのに劇場へ行く人なんて、いなくても当たり前です。
 
でも、ひょっとしてもう一度は劇場へ行ってみたなんて人がいるかもしれないので、今月はちょっとレベルを上げましょう
 
以前、大きな劇場へ行った場合は何も心配ありませんと書きました。劇場は都会の目立つ場所にあり、入ったらちゃんと飲食する場所があり、喫煙所も完備され、中にはエレベーターですべて上り下りできるようになっているというところもあるくらいのパラダイスです。しかし、小さな劇場はそういうわけにはいきません。まず場所が分かりません。芝居好きになると、それを探してまで行くのが楽しいんですがね。
 

今月、オススメする一本は
東京の劇団花組芝居』の
大阪公演です。



 
どうです?書いてあること分かりますか?
花組芝居は加納幸和さんという演出家で役者、しかも女形を得意とする俳優さんです。『女形』はなにも歌舞伎の独占ではありませんそれも覚えてください
 加納氏は1987年に花組芝居を設立。男ばかりの役者で歌舞伎のパロディを上演するという試みから劇団を立ち上げました。ベースは歌舞伎ですが、公演の度に趣向を変え、小劇場らしい作品を提示してきました。
 
 「小劇場」というのは60年代くらいから発展したアングラ(アンダーグラウンドシアター)を基盤とした、独特の創作作品を作る劇団の総称です。一番有名になったのは劇団☆新感線でしょうかね。あそこまで行くと小劇場の枠にはもうはまりませんが、スピリッツは小劇場です。野田秀樹さんなんかもかつてはそうでした。徹底的にオリジナルを作るという精神が小劇場のこだわりです。
 
あ、私もこの小劇場の劇団の主宰者のひとりです。ひとつの言葉で括られているので、みんな同じような芝居を作るのかといえば、そうではありません。加納氏のように歌舞伎のパロディをやる人もいれば、私のように大阪弁の人情劇をやっているものもあります。
 
ちょっとマニアックな話になりましたが、そんなことで今月は花組芝居の大阪公演がオススメです。場所は旭区にある芸術創造館(大阪市の持っている数少ない稽古場&劇場です。大阪の人なら誰でも申し込めば利用できる施設です)
今回は「盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)」という歌舞伎を下敷きにした、花組らしい作品。期間は6月12日~14日(東京公演は6月3日~7日)です。詳細は「電脳版 花組通信」という花組芝居のホームページへ行ってみてください。
 
 さてさて、コアな場所、劇団、芝居…お試しになっていただけますかね。最後にお断りしておきますが、小劇場の芝居はあくまでもオリジナル。その劇団のいわば演劇的な提示であり、主張です。それを「こんな世界もあるのか」と受け取るか、「なにこれ?」と思うかは、皆さん次第です。文化を見聞することは自分自身への投資でもあるので、食べたことのないものを食べてみるつもりでいてください。(花組ファンの方が読んでらしたらすみません。小劇場を見たことがない方を前提として書いてますんで)
 
 
 それでは、今月はまず劇場を探すところから頑張ってくださいね!

 

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