大阪のアーティストと出会うサイト MIGOHSHA

連載第14回 (2010/3/31 公開)

【最後の最後】

さてさて、長らく劇場へ足を運んで欲しいというコラムを書いてきましたが、
最後に「これは無理だろうけど、情報として知っててほしい」という願いをこめて、足を運ぶことは不可能な劇場のことを書きます。
 
それは東京の歌舞伎座のことです。
お好きな方はもうご存知かもしれませんが、東銀座に在る歌舞伎専用の小屋、歌舞伎座が建替えのためにいったん閉鎖になります。2010年3月はその最終の公演月。
長きに渡って歌舞伎の中心地。日本演劇界の中心地であったその姿がもう観られないとなると感慨もひとしおです。
私は光栄なことに一度、舞踊劇「たのきゅう」の脚本・演出をさせていただきました。
 
 
大阪の皆さんにこんな情報を書いても仕方ない?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、劇場という空間には独特の雰囲気があり、オーラのようなものがあります。
我々演劇人は「この劇場には芝居好きの神様が棲んでる」と感じることだって頻繁にあります。
決して怖い話ではなく、いい気分にさせてくれるという意味でです。
 
 
京都の南座が建替えになったとき、大阪の中座が閉館になったとき、東京からも沢山の芝居ファンが駆けつけたもんです。
「もう、あの空間で芝居が観られないから、最後にひと目観たくて」という思いです。
芝居ファンにはそういう気持ちが起きます。あの劇場の、あの演目だったからよかった。
という特別な場所だった思い出です。
 
 
歌舞伎座は東京の劇場ですが、このたび大阪からも多くのファンが駆けつけます。
すでにチケットはソールドアウトと聞いてますので、皆さんに「是非行ってください」とはいえませんが、この話を覚えていてほしくて書きました。
 
 
惜しまれて閉鎖する劇場のあることを羨ましく思いますが、大阪もかくありたいものです。
世界中の主要都市にはそういう劇場が必ずあるものです。
しかし、残念ながら今の大阪にはそれがありません。
みなさんが足を運んで、愛し、時には面白くない芝居だったとぼやき、また愛してくれることこそが、場を育てるといういうことを覚えておいて欲しいと思います。
 
 
最後の最後に、演劇人からのお願いでした。
 
わかぎゑふ。
 
 

 

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